FLOATING JAMの『元祖・浮いたり、沈んだり。』

FLOATING JAM & FJスズキ の 『日常と非日常』、旧ブログ保存版

こっちも「やりたい放題」だっ!

イメージ 1
12/11(土)、絵本作家『スズキコージ』さんの講演会に行ってきました。


スズキコージ さんは浜北市(現 浜松市北区)出身。
浜松市出身の『鈴木光司』さん(「リング」の作者)とはもちろん別人です。

出身地については、紹介されたプロフィールやご本人の弁も含めて あくまで「浜北
市」という呼び方で通してましたが、ご本人にとってはそれ以外の何ものでもない
ってことなのでしょう。
因みに、私の出身町は「磐田市」に併合されてしまい 当初は少なからず抵抗感あっ
たのですが、女優の『長澤まさみ』さんが磐田市出身と知ってすぐに鞍替えしまし
た。そうです、私も磐田市出身です!
長澤さんのファンでもないんですが、まあ、「長いものには巻かれろ」ってところ
ですか。
(「長澤」の '長' と「長いもの」の '長' がビミョ~に掛かっていて、そ・・・)



この講演会、正式には

 『清水興津図書館・興津生涯学習交流館共催
    2010! 国民読書年記念 絵本作家 スズキコージ 旅と絵本』

というもの。
静岡市の広報紙で見付けて申し込みました。
これも、もともとは旧 清水市にとっては よそ者である私が 静岡市清水市の合併
による恩恵に浴した格好になるわけですね。

多目的ホールという立派な講堂に ざっと200人くらいの聴衆。
募集定員の 300人には達してなかったと思いますが、集まるものなんですね~。
全体的に女性が多く、しかも割と年配の方が多くて意外と言えば意外。
あとは順当に 親子連れとか。
(会場の作品も講演も、撮影OK/録音OK 。)


「旅と絵本」というタイトルにも関わらず、旅の話はあまり出て来なかった。
辛うじて、会場に吊られた ろうけつ染めの作品の話くらいでしょうか。バリ島で製
作、スズキコージさんが下絵を描いたものを現地の職人さんが染めるという行程だ
そうです。
観光客でも体験できるらしい。但し、作品はちゃんと持ち帰らないと勝手に大量に
複製されて勝手に売られてしまったりするとのこと。


あとは 思い付くままに、ハチャメチャな高校生時代の思い出話とか。
数年前に静岡新聞でコラムを連載した際にその高校時代の暴露話的な話が結構ウケ
たそうです。
自分を認めてくれた恩師とか、逆に作品を破壊した父親とか、結果的にそういった
人たちが いてくれたからこそ今の自分がある、といった話も。
この恩師に対しては素直に感謝といった趣きでしたが、父親に対してはちょっと事
情が違う様で、「この歳になってようやく そう思える様になった。」とおっしゃっ
てました。

「褒める」べきか「叱る」べきかといった二元論に陥りがちですが、考えてみたら
そんな単純な話でもない気がする。
「褒められて伸びた人」もいれば「叱られて伸びた人」もいる。一人の中でもそれ
ぞれどちらの局面も在り得るだろうし。
さらに組み合わせで言えば「褒められて成功しなかった人」もいれば「叱られて成
功しなかった人」もいる。
現状が幸せだと思えるならどちらもポジティブに捉えられるし、逆に今が不幸だと
思えば どちらもネガティブな恨み節にしかならない。
あくまで結果論。

もしかしたら統計的なデータなんかもあるのかも知れませんが、とかく「褒められ
て大成した人」の話というのは大衆にとって耳に心地よいものだろうし、発信する
側も より大衆に求められるものに偏重してゆくわけで。



全く まとまりがないままグルグル回ってますが、「講演を聴きながらそんなことを
思った。」という覚え書きとして書き留めております。


あ、因みに、私が初めて スズキコージさんの作品に触れたのは 10数年前、『サル
ビルサ』という絵本。
当時、本屋でよく絵本を物色してまして。
まだまだ バブルの余韻もあってか、あまり説教臭い名作的なものより「インパク
勝負!」みたいな作品が多かった気がします。
そんな中でも『サルビルサ』は特にキョーレツでした。
店頭でパラパラめくってみて背筋が寒くなったのを覚えてます。


今回、充分に予測可能な範疇だったのに しくじりました。
講演会終了後、引き続き サイン会が!
その『サルビルサ』とか、あるいはちょっとウケ狙いで巨大な絵本とか、アロハシ
ャツとか、サインしてもらいたいものは いろいろあったのに・・・。



ところで、終盤の質疑応答で、明らかに親からの指示によって

 「私も絵を描くのが好きなんですが、どうやったらスズキコージさんみたいにキ
  レイでじょうずな絵を描けますか?」

と問うた小学二年生の少女(及び その親)に

 「まずは自分が楽しいと思うことが大事。そしてそれを観た周りの人たちが楽し
  んでくれれば それでいいんじゃないのか。
  あと、絵に限らず 例えば学校の机の天板の裏にハナクソをはり付けて、新学期
  こっちの端から始めたのが 学年の終わりにはこっちの端まで埋まってイイ感じ
  になってるとか。そういうのも一種の立体作品だったりして 楽しいぞ。」

という スズキコージさんの言葉は ちゃんと響いたかな~。