「夏休みの宿題 追い込み」みたいな。
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昨日(8/14)は、朝から映画、夕方は美術館へ。
●若松孝二監督『キャタピラー』
先頃、寺島しのぶ さんが ベルリン国際映画際で最優秀女優賞を受賞してニュース
になってました。
その時 ここでもネタにさせいただきましたが、
「これって江戸川乱歩の『芋虫』?」
というところばかり気になってました。
クレジットには「原作」や「原案」など、特に 乱歩の名前は挙がっていないような
ので。
本映画は、監督のインタビューとかも含めて かなりストレートに「反戦」を打ち出
してます。
劇場で購入したガイドブックの監督インタビューによると、
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<前略>
四肢を失った傷痍軍人という
設定は、『ジョニーは戦場へ行
った』という映画や、江戸川乱
歩の『芋虫』などの作品から感
じ取ったイメージの影響が頭の
中にありました。そこに、僕の
子ども時代、実体験としての戦
争の空気というものを加えてい
った。
<後略>
(『若松孝二 キャタピラー』/ 游学社 より)
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同じく、評論家の 奥山篤信氏の寄稿
=====================
<前略>
一時江戸川乱歩の「芋虫」
(キャタピラーとは芋虫の英語)
の映画化という噂もあったが、
全く別物である。
<後略>
(同 上)
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という念押し(?)まで。
「全く別物」と言い切るには骨格があまりに共通なので、何らか制作側の意図が働
いているのかな~という気も。
乱歩の『芋虫』は「反戦的」という理由で発禁処分を受けたそうですが、果たして
乱歩自身に「反戦」の意図があったものかどうか。
どちらかというと純粋に『エロ・グロ』というか、極限的な状況下での男女の在り
方みたいな話かなと。
私としては小説で描かれているその「極限的な状況」を象徴する場面が果たして映
画でどう扱われるのか(そのシーン自体があるのかないのか も含めて)というとこ
ろが非常に気になってました。
(正直、具体的なビジュアルとしてはあまり見たくないというのもあって。)
ネタバレ(?)ですが、結局 件のシーンはありませんでした。
このシーンの あり/なし でテーマの切り口が大きく変わってくる気がしますので、
そういう意味で
映画『キャタピラー』は小説『芋虫』と別物
という認識で納得。
監督としては そういうところにばかり耳目が集まるのを避けたかったのかも。
あるいは、権利的な問題? (・・・というのは下世話過ぎ?)
●静岡県立美術館 『トリノ・エジプト展』
ずっと「いつ行こうか」とタイミングを計ってました。
ここのところ美術館の話題になると「開館時間」の話ばかりで恐縮ですが、美術館
に行く目的は展示内容以上に
「美術館に 行っちゃってる『オレ』。」
という状況に酔いたいのがメイン。(伝わりませんね。)
朝10:00開館だと、もう みんな当たり前にここを目指して来るので全くの同列扱い
です。
ところが、9:00開館(辛うじて9:30)だと ちょっとフライングな感じ。
フツーは やはり10:00を目指してやって来る人が多いので、早く来た分だけちょっ
と静かな空気を味わえて得した気分になれます。
今回『トリノ・エジプト展』は、恐らく大人気で大混雑であろうと。
HPでも駐車場の利用制限をうたってるくらいなので、土日は10:00開館時には長蛇
の列でしょう。
という理由で二の足を踏んでましたが、8/22には終わってしまう。
改めてHPを見ると、土曜日は夜8:00までやってるとのこと。
(通常は5:30まで)
じゃあ、ということで 初めて夜(夕方)の美術館へ。
ホントはギリギリの7:00入館くらいが空いててよさそうですが、展示のボリューム
が未知なのと、一応 ロダン館もぐるっと観たいというのもあって6:00ちょっと前に
入館。
この時間でも、駐車場は9割が埋まってる感じ。
1Fに特設のチケット売り場があり、誘導のロープが張られてました。さすがにこの
時間は列はできてませんでしたが、昼間はけっこう並んでるんでしょうね~。
展示物は そこそこ人垣もあって、小物はさらっと流して大物の彫刻を中心に眺めま
した。
巡回展の一環ということもありますが、こんな大物を静岡で観られるというところ
が妙に感慨深かったです。
キャプションもマジメに読まずにさらっと流したので、7:00には館を出ました。
もう一回りしたらもっとじっくり観られたと思います。
この先、8:00まで開ける規模の展覧会はそうそうないとは思いますが、少なくとも
県美なら「夕方の閉館間際を狙って行く」というのも なかなか乙なものかも。