FLOATING JAMの『元祖・浮いたり、沈んだり。』

FLOATING JAM & FJスズキ の 『日常と非日常』、旧ブログ保存版

「昨日の自分にサヨナラ!!」企画 【その3】 『 VAN HALEN (KINKS) / You Really Got Me 』 2/2

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(1/2 からつづく。)

(意味不明の方は、左下の『リンク』から過去記事をご覧ください。)


KINKS バージョンについては、過去にラジオで数回聴いた程度。

はっきり覚えてませんが、VAN HALEN バージョンと同じ構造で「オモテ/ウラ
逆転現象」を起こしてた気がします。

音源がないので、この際CDを購入しました。


過去記事をご覧いただいている方はすでに基本的な流れをご存じという前提で、


 4.〔KINKS〕『オリジナル イントロ部分』 (MP3オーディオファイル)
  ( KINKS " You Really Got Me "  Ray Davies )


 5.〔KINKS〕『昨日までの私!』 (MP3オーディオファイル)


 6.〔KINKS〕『今日からの私!!』 (MP3オーディオファイル)


という感じです。


KINKS については、狙い通り。
フツーに聴くと出だしの音が「1拍目 オモテ」に聴こえてしまいますが、「正しい」
位置にクリックを入れて、素直に「正しい」解釈で聴けます。



さて、ここまで確認した上で「VAN HALEN」にもどります。



改めて、「VAN HALEN」バージョンの音源をご確認下さい。



「3.」で、「正しい」はずの位置にクリックを入れても 逆転現象が残ってしまう。

クセ者は、どうやら途中にはさまる ミュート・カッティングの音なのではないかと
いう気がしてきました。


蛇足ながら、ここでいう「ミュート・カッティング」(=ギター奏法の一種)とは。

 弦を押さえる左手の指をわざと音が響かないように弦に触れた状態で止め、その
 まま右手で弦をピッキング
 結果として「ツクッ」とか「カッ」という音程の特定しにくいパーカッシブな音
 になります。

目的としては主に「間のタイミングを取るため」や、「合の手みたいな景気付け」的
に使うこともあると思います。


言葉で説明し切れないので、「なんちゃって楽譜」作りました。




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各音源との対応でいうと

 ●譜面 A.:音源「2.」(=「1.」)  VAN HALEN 聴こえるまま
 ●譜面 B.:音源「3.」 VAN HALEN 本来「正しい」と思われる解釈
 ●譜面 C.:音源「6.」 KINKS 「正しい」と思われる解釈

になります。

 上で説明した「ミュート・カッティング」の部分、譜面上では16分音符の「××」
 であらわしています。
 実際の演奏では「ミュート」というよりもかなり実音が鳴っていますが、一応ギ
 ター弾きのはしくれ的感覚で、ここは便宜上「ミュート・カッティング」という
 ことにします。


で、何が問題かというと・・・。

あくまで『譜面 B.』が原曲を「正しく」解釈したものとの前提ですが、通常この
「4拍目 ウラ」から入るパターンだと、「タイミングを取る」あるいは「景気付け」
でミュート・カッティングを入れようとすると、ズバリこの

 『4拍目 ウラ

のタイミングで入れるのが自然だと思います。
ところが、実際には

 『4拍目 オモテ

という、私のような凡人の感覚ではむしろものすごくタイミングが取りづらい位置
でカッティングしていることになります。


逆に『譜面 A.』で見てみると、「4拍目 ウラ」という実に腑に落ちるタイミング
でカッティングが入ることになります。
しかも、実際の演奏をこの解釈で「聴こえるまま」に聴くと、このミュート・カッ
ティングも含めてリフ4回目まではとても自然に聴こえます。



以上、かなり回りくどくなりましたが、私なりの結論。

 「VAN HALEN は『聴こえるまま(=出だしの音が「1拍目 オモテ」)』という
  解釈で演奏している!」
 (さらに、リフ4回目のあとに強引に「半拍」を入れ込むことで原曲とのつじつ
  ま合わせをしている!!)

でまとめます。


あくまで想像ですが、アマチュア時代にこの曲を「聴こえるまま」にコピーしたエ
ディが、レコーディングの際にも強引に押し切ったのではないかと。
少なくともドラマーとかなら理論的に「4拍目 ウラ入り」で解釈するところでしょ
うが、一般的に おバカな 感性に忠実な『ギタリスト』が主導権を握った結果という
ことではないでしょうか。

(違うかな~。)