FLOATING JAMの『元祖・浮いたり、沈んだり。』

FLOATING JAM & FJスズキ の 『日常と非日常』、旧ブログ保存版

2011年

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この年末は 恐らく例年以上に いろいろな人が いろいろな思いで " 今年 " を締めく
くってくれるものと思われますが。

私も私なりに締めくくり・・・、と言いたいところですが、書きそびれていた記事
で 一応の締め。



9月の防災の日の前後だったと思います。
TVのワイドショーで、
 「40万円の津波シェルター」
というものが紹介されてました。
確か、防災グッズの見本市のような場で発表/展示されたという流れだったはず。

モノは こちら 参照。

直径 1.2 ~ 1.5m の FRP製のボールで、頑丈で かつ 水にも浮くということらしい。


海沿いに住む私としては、それなりに関心はあるのですが・・・。

造ってる人も 買ってる人も 大マジメだとは思いますが、恐らくこれを見た 10人中
9人までが 江戸川乱歩の『鏡地獄』を連想したに違いない。


蛇足ながら、江戸川乱歩の『鏡地獄』とは・・・。

20数年前に読んだ記憶だけで書きますので かなり怪しい部分もありますが、念の
ため【ネタバレ注意】。

 主人公 = 一人称の「私」が語る体裁だったはず。
 「私」の幼なじみの友人は、子どもの頃から 鏡/レンズ/幻灯機 などといった
 光学系の機器に異常なまでの執着を持っており、それらの収集やら それらを使っ
 た実験/悪戯に明け暮れていた。
 父親が亡くなって遺産を引き継ぐと、その執着の度合いも極まれり。
 外部との交流を断ち、金に飽かせて職人に様々なオリジナルの光学器具を造らせ
 ては " 実験 " に没頭。
 そして最後に辿り着いたのが・・・。
 直径 1m(くらい だったと思います)の球形のガラスに銀を吹き付けて造った全
 周鏡の小部屋。
 このガラス球(= 究極の凹面鏡)に出入り口と照明用の電球を取り付けて乗り込
 んだ彼を待っていたものは・・・。

といった感じ。


さすがにここまで極端ではないものの、私も多少 鏡などには執着もありまして。
子どもの頃、母親の三面鏡の間にはさまれて何時間も " あの " 無限に繰り返す合わ
せ鏡の異様な像を眺めていた記憶があります。
そういえば、遊園地のビックリハウスとかで「全面 鏡の部屋」というものを体験し
た記憶はあるのですが、恐らく大勢で わいわいやってて終わってしまったに違いな
い。特に深く味わったという感慨はないので。
あぁ、もったいない。



数年前、この球形の鏡を CGで再現したてみたいな~と思い付きはしたのですが、
あっさり挫折。
鏡の造作自体は可能だと思いますが、むしろ キモになるのは自分自身の身体のモデ
リングでしょう。
鏡に写るモノは正に自分自身の姿(のはず)。
さらに言うと、身体の中でも最も重要なのが「顔」の造形。
このガラス球のサイズからして、視線の先にはまず自分の顔の鏡像があるはずなので。
自作の人体モデルも一応あるにはあるのですが、あくまで簡易的なもので、特に顔
はテキトーな塊でしかない。

・・・故に、挫折。
(まあ、手間の問題だけなので再トライしてみてもよいかな~とは思いますが。)




津波シェルターの話にもどります。

このシェルター、TVには一応 ユーザー と称する家族が出演しておりまして。
家の中に設置するとそれなりに部屋を占有してしまうので、普段は子どもの遊び場
(「秘密基地」的な)として利用し、いざという時には この中に逃げ込むようにと
教えているとのこと。

確かに、すぐに自力で逃げられない人や、そういう家族と同居している人にとって
は究極の選択として「アリ」かもな~と思います。
黙って津波にのまれるのを待つよりも、いくらかは生存の可能性が高まることを期
待したい。
ただ、本気で利用するにはそれなりの備えも必要でしょう。
例えば、実際にこのシェルターで海上を漂流する状況を想定して、数日分の水や食
料を積み込んだり。携帯電話がダメな場合に助けを呼ぶための無線機も。

設置場所も悩みどころ。
屋上やテラスとかがあれば、漂流前提で屋外に置くのがよいのか?
とはいえ、屋上がある家ばかりじゃない。
とすると、やはり屋内設置?
でも、強度は充分だったとしても、屋内設置だとそのまま家の倒壊に巻き込まれて
出られなくなる可能性も?
(決してこの製品の批判ではなく、現実的な使用状況を想定しての考察のつもり。)


そして、何より重要なのは 実は『精神力』なんじゃないかと。

このシェルターの中で「津波を待ち受ける/のまれる/漂流する」といった極限の
状況に置かれることになるわけで。
『鏡地獄』よりも はるかにリアルな想像が及びますが、それだけに私にはムリかも
知れない・・・。



と、全く締まりませんが、" 今年 " のうちに書いておきたかったので。